郊外の住宅地の敷地いっぱいに建つ一戸建ての住宅です。

ハナレが連続していくような住宅を考えました。

ハナレは同じ敷地内にある別の空間です。ひとつづきの家でありながら、部屋から部屋へと移動する度にハナレに行って過ごせるような体験が出来ると、空間体験や生活が豊かになるのではないかと思います。

 手前と奥の2つのボリュームに、幅や奥行き、高さ、地面からのレベルが全て異なる部屋を交互に配し、両手に庭のある階段を通して距離感を保ちながらも繋がっていくことで、各々の部屋同士がハナレのような関係をつくり出します。

 ハナレを移動していくと、地面からの高さと共に明るさや景色が少しずつ変わっていき、この敷地やまちの環境をまといながら豊かに暮らせるのではないかと考えました。

また、ボリュームの単位を小さく分割することで、生活がまちに配置されているような、まちと生活空間を近づけて環境の豊かさを感じながら生活できるよう試みました。

それぞれのハナレを行ったり来たり思い思いの場所で過ごして、家全体と環境を楽しみながら暮らしてもらえたらと思います。